2022年9月19日の週のおしらせ

★9月の第3週19日(月)は祝日のためお休みの予定です。
 あわせて20日(火)もお休みとなります。

 本日の小咄は「エリザベス女王」。

 エリザベス2世逝去のニュースを見ていると、英連邦の人々は王室を愛していたというより、女王陛下を愛していたんだなあ~、と思います。

 思えば、1世のほうも当時もその後もずっと変わらずに愛されている女王であり、おそらくこの2人のエリザベスこそ、英連邦の人々にとって忠誠を捧げたい相手なんじゃないかなと勝手に思っています。

 エリザベス1世は16世紀、テューダー朝最後の女王として、プロテスタントとカトリックの争いを収めたこと、スペイン無敵艦隊に勝利、貧民救済の法制化などで有名ですが、店主もそれ以上には詳しくはありません。ただ、大好きな作家サトクリフの描いた『女王エリザベスと寵臣ウォルター・ローリー』を読むと、当時の華やかできらびやかで、浮世離れしていながら、どこか人間くさい宮廷の様子に、『源氏物語』にも通じる世界を見るようで、民衆はファンタジーを楽しむように、宮廷人を賞賛したり、罵声を浴びせたりしながら、ヒロインとそれをとりまくヒーローたちへの愛を培ったのではないかなあと思うのです。

 余談ですが、このサトクリフの小説にはもうひとりのエリザベスのことも描かれています。ウォルター・ローリーの妻エリザベス・スロックモートンです。美貌・長身のウォルターが近衛隊長、冒険家、詩人として華々しく活躍し、やがて断頭台の露と消えるまで、波乱万丈の人生の横でいつも献身的な愛を貫いた女性。源氏物語の絢爛さと枕草子のさりげなさ、両方を合わせたような不思議な読後感の物語、サトクリフの名手ぶりを味わえる一冊です。

※写真はwikiより

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