秋分

2021 年9月 20 日

二十四節季と七十二候の話

秋分です。

昼と夜の長さが同 じになりますが、冬とちがって夜 も過ごしやすい気候。「秋の夜 長」と呼ばれ、家族の団らんや 読書にぴったりの時季です。電 灯とエアコンでいつでも快適な コンディションに保てる現代です が、月の光や窓の外の空気を 感じて秋の夜を楽しみたいもの です。


七十二候では第四十六候 「雷、すなわち声を収む」。春分 の初候「雷、すなわち声を発 す」と対になっています。また、次候の「虫、隠れて戸をふさぐ」 も半年前に対になる候があり、 めぐる季節の様子を感じること ができます。


末候「水、はじめて涸るる」は 田んぼから水が抜かれ、稲刈り に備えて土が乾かされることを 意味し、ここでも秋の終わりが 近いことが感じられます。


みんなで育てたお米が台風 などを乗り越えて、どうか無事収 穫にいたりますように。お天道様 をはじめとする自然に対し、謙 虚に祈らずにはいられません。

店主のつぶやき

赤羽末吉さんの原画展を観てきました。 「わたしにはカマエはない」という赤羽さん。50 才から絵本の世 界に入った赤羽さんは作品ごとに、作家や物語から与えられた 主題を考え抜き、紙も絵具も描き方も変え、その物語を語るのに ふさわしい表現方法を創造してきました。


それでもどの絵も見れば必ず、これは赤羽さんだとわかる質感 があるところが一流の証なのでしょう。


今回、感銘を受けたのは源平合戦を描いた一連の絵の中、 義経が崖を馬で駆け下りるシーンと、平 家の女性が海に沈みゆくシーン。まるで 動き出しそうな勢いを感じる馬、スローモー ションの静けさに包まれる深く青い海。息を
のんで見入ってしまう 2 枚でした。

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