白露

2021 年9月6日

二十四節季と七十二候の話

秋、大気が澄み渡り、晴れ間 が多くなると、昼に太陽光で温 められた地面の熱が夜の間に 放射冷却という現象によって、 宇宙へと放出されるようになりま す。その結果、地表の草に露が 結ばれるようになるのが第四十 三候「草の露、白し」。


第四十四候、セキレイやヒヨド リなどの鳥たちのさえずりが秋の 空によく響くようになり、ちょっと切 ない秋心が感じられるように。


そして、第四十五候、わが愛 しのツバメたちが子育てを終え、再び南方へと旅立ちます。 最近は公共施設などでもツ バメが巣をかけたら、子育ての間は大切にそっとしておいてくれ るようになりましたが、それでもす べてのツバメが子育てに成功 するとは限りません。


懸命の努力でようやく育った 子どもたちと一緒に、数千キロ の彼方へと旅立つツバメの一 家。道中の無事を祈らずには いられません。


また来年、帰っておいで!

店主のつぶやき

ケーブルテレビで映画『さらば愛しきアウトロー』を観ました。201 8年の映画で、ロバート・レッドフォードがこれで引退すると公言し ている作品です。1969年、『明日に向かって撃て』のサンダン ス・キッド役で世界的な名声を得た名優が最後に選んだのは、 同じく実在の犯罪者で、老紳士強盗のフォレスト・タッカー。


誰一人傷つけず、銃は見せるだけで一度も発砲せず、犯行 時には強盗被害にあった銀行員曰く、“紳士的で幸せそうだっ た”という微笑みを浮かべています。 「社会が分断され、ダークな時代になっているからこそ、最後は 気分を明るくする映画に出たいと思ったんだ」


映画の中でフォレスト・タッカーが16回の脱獄のひとつひとつを 楽しそうに振り返るシーンは特に印象的で、老いてなお美しく、チ ャーミングな魅力を発するレッドフォード自身が自分の人生を振り 返っているようでした。

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