立秋

2021 年8月9日

二十四節季と七十二候の話

ついに暑さは峠を越え、立秋を迎えました。第三十七候の 「涼風、いたる」。暑さの中にも、 夕方や明け方に吹く風にほんの すこし秋の気配が匂います。第 三十八候のころになり、ヒグラシやツクツクボウシが鳴きはじめるといよいよ夏の終わりを感じるよう に。一日の終わり、夕暮れどきに「カナカナカナ」と鳴くのを聴き ながら家路を急ぐという体験が 昔の人にとっても、どことなく寂しく秋を感じさせたようです。


第三十九候になると、山や湖では明け方に深い霧がたちこめるようになります。


山国に住む人間だからか、ぼ くはこの季節の山々の風景が 大好きです。山並みにそって、 白い霧が静かに横たわる景色 は山々の呼吸のようにも見え、 白い霧自体がなにか意思のある生きもののようにも見えます。 ぼくの住む群馬の山々に、じつは無数の竜が住んでいて、朝 のほんのひととき、霧に包まれてその姿を見せてくれる。そんな想像がふくらむのです。

店主のつぶやき

ニュースレター、第100号になりました。2 週に 1 回、だいたい 二十四節季に合わせて発行してきましたので、4 年とちょっと。


読むことと同じくらい、書くということが好きなので、ずっと自由に 楽しく書かせていただきました。好きなことを思いのままに書いて いただけですが、読んで感想をくださるお客さまもいて、うれしく、 励みになっています。


過去のニュースレターを見返していて見つけたこの写真。盟友 である長野の宮崎さんのたまねぎ畑で、勝手に生えてきたチューリップ。

この自由さ、おおらかさ。この光景への あこがれから、ぼくはこの世界に入りま した。そして、それが間違いではなかっ たという確信は年々強くなっています。

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